はなまるの部屋
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こどものころにみた空は
・・・という詩集を買いました。
工藤直子さんが詩を書き、息子さんである松本大洋さんが絵を描いています。
工藤さん自身やお友達の「繰り返し現れる子ども時代の記憶」をもとに編まれた詩集です。
実は以前からほしかったんだけど、本屋さんへ行くと、さっき売れちゃいましたとか、
昨日まであったはずなのにとか・・・間が悪いというか縁がないというか。
注文をすれば簡単に手に入るんでしょうけど、この本は縁がつながるまで待ってみました。
・・・で、今日。ぱらぱらっとめくってみましたが、なんだかとても懐かしい。
冒頭の詩を紹介します。

  ひとはみな みえないポケットに
  こどものころに みた 空の ひとひらを
  ハンカチのように おりたたんで
  入れているんじゃなかろうか

  そして あおむいて あくびして
  目が ぱちくりしたときやなんかに
  はらりと ハンカチが ひろがり
  そこから あの日の風や ひかりが
  こぼれてくるんじゃなかろうか

  「こどものじかん」というのは
  「人間」のじかんを
  はるかに 超えて ひろがっているようにおもう
  生まれるまえからあって
  死んだあとまで つづいているようにおもう

私にも「はらりと ハンカチがひろが」る瞬間が時々あります。
たとえば激しい夕立の後でアスファルトの匂いをかいだとき
たとえば蝉時雨の木の下に立ったとき
懐かしい記憶が急にやってきて鼻の奥がツーンとするんです。

子ども時代だって楽しいことばかりじゃなかった。
それなりに悩みはあったし、つらいこと悲しいこともあった。
でも、やはり「とくべつなじかん」だったんだな。

今の子たちが大人になったとき、繰り返し現れる記憶ってどんなことなんでしょう。
こどもたちの「とくべつなじかん」にかかわれる幸せと責任を感じました。
私が女優になった理由
ふざけたタイトルでごめんなさい!
「よだかの星」の練習も最後の仕上げに入った今日この頃
やっぱりお芝居って楽しいなって思います。

私が初めて生の舞台を観たのは、小1か小2の移動演劇教室。
県内の「群芸」という劇団の「みつばちまーや」でした。
まだ子どものための娯楽も少なかった時代(・・・って、そんなに大昔じゃないよ)
その衝撃たるやものすごかった!
大人の役者さんが舞台の上で、子どものまーやになりきって
歌ったり、踊ったり、泣いたり、笑ったり・・・
自己表現の苦手な内気な子だった私には、舞台の上はまさに光り輝く世界でした。

中学のクラブで1年、3年生を送る会でちょこっと。
本格的にお芝居を始めたのは高校の演劇部でした。
新入部員に与えられた初仕事は、なんと小麦粉のり作り。
舞台装置の書割に紙を張るためのものだったんですね〜。
用務員室でコンロを借りて、用務員さんとおしゃべりしながらことことのりを煮る。
今でも忘れられないワクワクした時間でした。

一つのお芝居を作るには、たくさんの時間と、たくさんの手間と、大勢の人が必要です。
脚本・演出・役者・照明・音響・大道具・小道具などなど。
みんなでわいわいと一つのものを創り上げる喜び。
本番の舞台が終わったら、すべて終わりっていう潔さもたまらない。
そんなこんなでどっぷりつかった私です。
「○○と役者は3日やったらやめられない」とは昔の人はよく言ったもんだ。

高校で2年ちょっと、アマチュア劇団で4年ほど、そして(多少ジャンルは違うけど)
もこもこで6年!
はっきり言って演技はまったく上達しないけど、楽しくてたまらない。
これはもっちーさんといしょだね。
今回の「よだか」のハードスケジュールで、「もう劇はこりごり」との声も聞こえますが
1年に1回か2年に1回でいいからやらない・・・?みなさん!

ところで私が初めて観た「みつばちまーや」でふんころがしが歌った歌
♪ころがせころがせまぐそだま うんとこどっこいまぐそだま
って、私今でも歌えるんだよ!
ぼくだけのこと〜私のテーマ
ヤングアダルトの第一人者、森絵都さんの絵本です。
ようたくんは、兄弟で1人だけえくぼができて
家族で1人だけ蚊に刺されやすい。
仲良しで1人だけ逆立ち歩きができて
クラスで1人だけ芸能人のサインを持っていない。
そんな他の人とは違う「ぼくだけのこと」を
身近な人の証言を交えて描いた絵本です。
  
あさ まちのむこうから たいようがのぼって
  よる まちのむこうに しずんでいく
  ぼくは めをあけて あさごはんをたべて はをみがいて
  いろいろして ゆうごはんをたべて 
  はをみがいて めをとじて ねる
  そのあいだに きょうもみつけよう
  ぼくだけのこと


あなたはかけがえのない、たった一人の存在。
だから自分の生活、自分の人生を大切にしてね。

そんなメッセージを感じました。

実は私、この手のお話にめっぽう弱い!
給料日前だというのに衝動買いしちゃいました。

じゃじゃじゃ〜ん、発表します!
私の読み聞かせのテーマは
♪いいないいな にんげんっていいな
♪もともと特別な ONLY ONE
の2つです。
この2つのメッセージを伝えるために絵本を読んでる
って言ったらカッコよすぎるかなあ。
気になる絵本
どうにもこうにも気になる絵本を紹介します。
「さるのひとりごと」
童心社・ぼくとわたしのみんわ絵本(全6巻)の一冊です。

山に飽きたさるが海に来て、独り言を言う。
 うみは ええなあ
 かぜは ぶうぶう ふくなり
 なみは どんどと うつなり
すると小さなかにが「うん」と返事をする。
独り言に返事をされた腹立たしさで、さるはかにをつぶしてしまう。
そしてまた独り言を言うが、今度は誰も返事をしない。
淋しくなったさるは、つぶしたかにを団子に丸め、岩に乗せ、独り言を言う。
団子にされたかには、また「うん」と返事を返してくれた。
さるはうれしくてうれしくて何度も言う。
やがて日も暮れ、さるは帰っていく。
 またくるから へんじしてな
と、かにに言い残して。

というお話。

松谷みよ子さんの文も(島根県の言葉で書かれています)、司修さんの絵も
しーんと静かで心に残ります。

でも、私がびっくりしたのは、後書きに書いてあったことでした。
団子にされたかにが「うん」と返事をする所で、子どもの反応が分かれるというのです。
つまり
 かにがかわいそう という子と
 さるがかわいそう という子に
「身近にいるすぐキレル友達、あるいは自分の内面を思っての反応なのでしょうか。
 民話をめぐる子どもの心の世界も、確かに変わってきていると言えそうです」
と、後書きには書かれています。

淋しい、とか、切ない、という感情は、喜・怒などに比べ複雑なもので
子どもたちはさまざまな体験を経て習得していくと思っていました。
「ママがいなくて淋しい」というように自分の感情として持てても
他人の淋しさに思いを及ばせることは、小さい子にはできないと思っていました。
さるの淋しさにシンクロしてしまう子どもがたくさんいると言う事実は
私にとって大ショックです。

人の気持ちに寄り添えることはとても素敵なこと。
でも、せめて子ども時代は、もっとのんきに、もっとぼーっと過ごさせてあげたいなあ・・・
などと考えてしまった一冊です。
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