いたいのいたいのとんでいけ〜!
車椅子暴走族にご用心!
さて、手術して車椅子で自由に動けるようになったぴぃちゃんは、同じ病棟に入院するY君(小学校2年生)と仲良くなりました。二人で元気に暴走するもんだから、
もう、危ないったらありゃしない!

「わー、怪獣ママゴン隊だー!」

「待てー!このガキンチョザウルスー!」

と3号病棟はにぎやかです。
一足先に退院していったY君。私たち親子はY君の明るさにすいぶん助けられました。
ありがとう。
二人で通った養護学校までの長い廊下。
窓から差し込んできたあの時の日差しと朝の空気。
「おはよう!今朝も元気だね!」とすれ違う人たちのあたたかな声。
いつまでも覚えておいてほしい。
元気でね!Y君!また、会おうね!!


「まっすぐに 前を見据えて 走り行く 車椅子の背に 風は光りぬ」
このところ、外はなんとかくうっとおしい空模様です。
病院もなんだかひっそりとして気分が落ち込みそうですが、
ぴぃちゃんはちっとも寂しくありません。

お見舞でいただいたビーズ手芸のキット。もともと細かい事が好きなぴぃちゃんは、
うれしそうにビーズでアクセサリーを作っています。
看護婦さんが来ようが。消灯時間になろうが、そんなの全然おかまいなし!
指輪、ネックレス、ブレスレット、ストラップ。。
ぴぃちゃんのベッドの上はさながら
「ビーズ工房」となりました。
こんなお天気のせいか、面会に来る人もいない日曜日の午後。
まもなく梅雨に入ります。


「友の顔 浮かんでは消え 梅雨に入る」ぴぃちゃん
「栗の花 誰を見舞いし 靴の音」
ぴぃちゃん ビーズにはまる
お手紙ってうれしい
今日は下小の担任のT先生が、みんなからのお手紙やその日勉強した事が書かれている
[連絡帳]を持って来てくださいました。
[連絡帳]はぴぃちゃんがお休みした日から一日も欠かさずに書かれています。

「早く戻ってきてね」「待ってるよ」と書かれているお手紙、そして連絡表の片隅には必ず先生からの添え書きがありました。
長くお休みしていると学校の事が全くわからなくなってしまったり
また元のようにみんなの中に入れるかなぁ・・なんて。不安になったりするものです。
でも、こうやっていただいたお手紙を読んでいると、
「離れていてもやっぱりお友達。私の帰る場所はちゃ〜んとある!」
って思えてとってもうれしいものです。
みんなありがとう。本当に感謝しています。

「あじさいや 文字のあいだに 友の声」 ぴぃちゃん
お手紙をうれしそうに読んでいたぴぃちゃん。
今はすやすや夢の中。。お友達と笑い転げてる夢でも見ているのかな?
・・おやすみ、ぴぃちゃん。。。

ボクはこの家で飼われている犬です。ボクの話を聞いてください。
最近何だか変なんです。
この頃、お母さんとぴぃちゃんがいないんです。
いや、正確に言うと、朝、お父さんとお兄ちゃんが出かけてから
お母さんはそっと帰ってくるんです。
で、ボクに
「ごめんね」って一言いうと荷物をまとめてあわてて出て行くんです。。
え?も、も、もしかしてお父さんとお母さん、べ、べ、別居!?
確かに最近、会話が少ないような気がしてたけど、そ、そ、そんなに深刻だったとは・・・
ケンカのタネは拾ってたつもりなのにボクの努力が足りなかったか。。。
お願い!!おかあさ〜ん、ぴぃちゃ〜ん、帰ってきて〜〜!!
。。。なんて、うちの犬が思ってる・・わけないか!
うちのわんこの独り言
いよいよ退院
その日は突然やってきました。
「先生が退院しても良いって!」
「あ、そう、じゃ、明日!」

思い立ったら吉日・善は急げ・何でも良いから早く荷物をまとめちゃえ!
ぴぃちゃんも突然の退院許可に喜んではいましたが・・・
さて、退院当日。
去るとなると、なんだかとっても名残惜しいものです。
養護学校では、最後に「色紙をわたす会」を開いてくださいました。
先生や看護婦さん、同室のおばあちゃまがたにご挨拶をし、50日間、御世話になった棟を後にしました。

今回のけがで、ぴぃちゃんはとても痛い思いをしちゃったけど、私たち親子にとっては大変貴重な時間となりました。
決して「痛い」と泣くことのなかった娘が、左足を叩きながら、悔しいと泣いた夜
どうしてやることもできずに、娘と二人手をつないでいました。
・・・
「キュッ」と手を握ると「キュッ」と握り返してくる。
    
「キュキュ」と握ると「キュキュ」とね・・・。
まだ娘が幼かった頃、夜寝る前のひととき、こんな他愛もない遊びで笑い転げたものです。 ああ、まだ覚えていたんだね。
思えば、最後に娘と手をつないで眠ったのは何年前のことだろう。
5年生になり、ちょっぴりお姉さんぽくなって自分の道を歩き出そうとしていた娘。
やりたい事がたくさんあって、ベッドで寝ていても気が焦ってる娘。
そんな娘と一緒に泣いて悲しんだりしながら、本当はあなたが私のところにとどまってくれたみたいで嬉しかった。
いつの日かこの50日間を懐かしく思い出す日が来るでしょう。
たくさんの人からいただいた励ましの言葉や優しい気持ちは、しっかりとぴぃちゃんの心の中に刻み込まれています。
本当にありがとうございました。


「梅雨明けの 空にイタイの 飛んでった!」

                           完!!

留守番エルフ君

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